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九州工業大学 業務改革ビジョン

2026.6.24 全学戦略会議決定



1.背景と必要性(なぜ業務改革が必要なのか)

厳しい外的要因とマンパワーの限界
現在、本学は運営費交付金の伸び悩み、物価・人件費の急激な高騰という厳しい経営環境に直面し、大学戦略実現に必要な経費が枯渇するなど、危機的な状況にあります。また、その一方で、教育・研究・社会連携を支える業務は高度化・複雑化の一途をたどっています。限られた人員のなかで新たな業務が常に追加され、現場の疲弊が深刻化しています。さらに、業務が個々の経験や工夫に依存する「属人化」が進み、引継ぎや育成を難しくし、組織の持続可能性を脅かしています。


「個人の頑張り」から「仕組みで支える運営」へ
私たちは、これまでの「頑張る人に頼る運営」から脱却し、「仕組みで支える運営」への転換を進める必要があります。個人の献身に依存する体質から脱却するとともに、真に優先すべき業務に戦略的にリソースを配分できるよう、業務の標準化・整流化・DXを断行し、効率的・機動的な組織へ転換することが急務となっています。



2.目指す姿と3つの基本方針・KPI


本改革は、「九州工業大学ビジョン2040」に掲げる「経営・組織における5つのアクション」を具体化し、スマートキャンパスとデータに基づく大学経営を実現する取り組みです。単なる電子化やシステム導入ではなく、業務の生産性を飛躍的に向上させ、「教職員が健康で力を発揮できる健全な環境」「やりがいのある業務に注力できる環境」を確立します。また、経営判断に必要な客観的データを集約し、「適時にデータに基づく正確な経営判断ができる環境」を確立します。

そのために以下の3つの基本方針を推進します。


方針1 明確で迅速な意思決定の実現
決裁権限大綱や文書処理ルールを見直し、案件に応じた適切かつシンプルな意思決定を可能にするとともに、経営判断に必要なデータ等を可視化し、明確かつ迅速な意思決定を可能とします。

方針2 業務プロセスの改革と業務の削減
生成AI等も活用した業務DX、業務プロセスの見える化と見直しを行い、業務の生産性向上と無理・ムダな業務の整理・削減など、業務プロセスの徹底した再構築と省力化を進めます。

方針3 全員が当事者となる改革マインドの醸成
前例踏襲や個人の献身に依存する体質から脱却し、大学の機能を支えるオフィスを「変革し続けるオフィス」へと進化させます。全員が「大学運営を担う当事者」として、業務改善を自らのミッションとして捉える文化を醸成します。


業務改革で達成する目標・KPI


定型的業務に係る業務量(業務時間)を30%削減
業務効率化と生産性向上を進め、教職員の心身の余裕を生み出すとともに、大学運営業務を高度化します。

教員の職務活動に占める研究時間50%以上を確保
教員の運営業務負担を削減し、研究活動に集中できる時間を増加させます。

経営ダッシュボードの実現
データ駆動型経営に必要となるデータ集約基盤を構築し、リアルタイムの情報に基づく、適時かつ正確な経営判断を可能にします。


これらを通じて、教職員が高いモチベーションと業務生産性で、大学の価値向上に貢献できる環境を実現します。


3.8つの重点取組項目

1)業務改革マインドの醸成、DX人材の育成
改善実績の人事評価への反映、リーダー育成、DXリテラシー向上のための研修

2)現状把握と見える化
決裁権限大綱の整理、業務フローの可視化、業務負荷・コストのデータ化、標準作業手順書の整備

3)業務プロセスの再構築
紙処理・押印の廃止、電話・メールの削減、受付・申請等のオンライン化、二重入力や例外対応など効率化を阻害する要因の排除・最小化

4)情報インフラの整備
全学共通情報基盤の構築、認証の一元化、クラウド利用促進、データレイクの整備

5)AIの組織的活用
AI利用ガイドラインの策定、問合せ・検索や定型的業務の効率化、企画立案や経営データ分析へのAI活用促進

6)コミュニケーション手段の変革
対面・電話・メールから、クラウドやAI・チャットボットを活用した効率的手段への移行

7)個別業務システムの更新
人事給与・経理・施設等のシステム刷新、既存システムとのAPI連携やデータレイク連携

8)データを活用した経営判断
各種データのデータレイクへの集約化、経営判断に必要な情報をリアルタイムで提供するダッシュボード環境の整備

4.推進体制


本改革は、一部の担当部署だけのものではなく、全学の共通戦略として位置づけます。


● 新設した業務改革・DX推進機構が中心となり、全学一体となってDXと業務プロセス改革化を強力に推進します。

● 情報統括本部:Kyutech-DXビジョンに基づき、全学の情報システムを持続的に整備します。

5.結び(メッセージ)

本ビジョンの目的は、単なる業務の効率化やコスト削減ではなく、教職員一人ひとりが、本学の伝統である「技術に堪能なる士君子」を養成する主体として、また、世界にインパクトを与えるイノベーション創出大学への進化の担い手として、自ら大学運営を変革していくことにあります。個人の頑張りに依存せず、より創造的で付加価値の高い業務に情熱を注げる環境を、全員の力で築きましょう。


学長室より
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