人の目を超えた
ロボットの「目」を創る。
人間は、一枚の写真を見たときに、写っているものはもちろん、その形や色・ツヤなども瞬時に認識することができます。そんな人間の視覚機能をコンピューターで実現するのがコンピュータビジョン。ロボットの「目」を実現するための研究です。
研究内容
ロボットの「目」を実現するためには、画像を撮影するカメラ(ハードウェア)だけでなく、画像を計算により理解・認識するアルゴリズム(ソフトウェア)も大事です。私たちの研究室では、人間の目よりもはるかに多くの情報を捉えることのできる最先端のカメラ(分光カメラ、偏光カメラ、高速度カメラなど)や最先端の照明(ライトステージ、3Dディスプレイなど)を使って被写体を撮影し、その画像の画素値(明るさ・色)を調べることで、被写体の形や色・ツヤを推定したり、素材を識別したりする研究を行っています。人間の目を超えるには、最先端のカメラ・照明を使って得られる豊富な情報をどのように活かすのかが鍵になります。
課題
コンピュータビジョンには、
■撮影装置の工夫(カメラや照明など)
■画像解析方法の工夫(アルゴリズムなど)
■大量のデータ・機械学習の活用
という3つのアプローチがあります。それぞれのアプローチで実現できることに限界があることが明らかになりつつあります。
この研究で、
暮らしはどうなる?
ロボットの「目」が実現できると、現在は人間が目を介して認識していることを、ロボットが自動で行うことができるようになります。コンピュータビジョンは、既に顔画像認識、拡張現実感、自動運転支援などで役立っていますが、今後はより身近になるでしょう。また、ロボットの「目」を実現する過程で、人間の視覚機能についての理解も深まるでしょう。
今後の展望
先に紹介した最先端のカメラでは、赤外線・紫外線や偏光などの人間の目には見えない光や光の性質を捉えることができます。このような人間よりも優れたカメラ(ハードウェア)に適した画像認識アルゴリズム(ソフトウェア)を考えることで、人間の目を超えることが可能になります。また、上記の3つのアプローチを統合することで、新たな視覚機能を実現したり、既存の視覚機能を高精度化したりすることもできるでしょう。
研究の魅力
コンピュータビジョンの研究は、入力はもちろん、途中経過や出力も画像で確認できるので、とても分かりやすいです。また、理論の構築から実験までを比較的少人数で取り組めるので、思いついたアイディアをすぐに試せるのも魅力です。
「ヒラメキ」。
ちょっとしたことでも、何か新しいこと・面白いことを思いついたときはワクワクします。
必須アイテム
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■ 最先端のカメラ・照明まだ特殊で特注だったりしますが、今後ブレークして普及するかも。
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■ 元気と勇気を与えてくれる存在家族、学生、同僚など。頑張っている学生を見ると自分も頑張らないと、と思います。
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■ ピアノ・初めて買ったショパンのCD小さい頃にピアノを弾いていたので、煮詰まったときや気分転換に。
1日のスケジュール
授業やミーティング 授業では学生に熱心に聞いて貰えると嬉しい! |
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セミナーや事務作業 大学や研究室の運営に関する仕事もあります。研究費確保のために申請書も書きます。 |
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研究や学会活動 ようやく研究に集中できる時間。論文を読んだり国際会議に投稿する論文を書いたり。学会運営の手伝いもします。 |
ライフスタイル
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■ 研究者を志したきっかけは大学院生の頃の専攻(物理学:宇宙論)で研究を続けるには大学教員しかあり得なかったため、大学教員を志しました。その後、良い上司に巡り会って,現在の専攻(情報学:コンピュータビジョン)に移りました。
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■ 尊敬する人物人のために行動できる人。
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■ 自分の性格を一言でいうと穏やかでのんびり(に見えているのでは?)。怒っても研究はスムーズに進まないので。
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■ 特技ピアノ。最近、子どもとの連弾をきっかけに再開しました。
学生の頃に
「しておけばよかった」
もし大学教員
ではなかったら
九工大のおすすめポイント
中高生へのメッセージ
この研究に
興味がわいたら…
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- ● 情報工学部
- ● 情工1類
(情報・通信) - ● 情工2類
(情報・機械・制御)
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