この度、本学がマレーシアに開設した海外教育研究拠点MSSC(マレーシアプトラ大学のキャンパス内に2013年4月設置)が令和元年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰 国際貢献部門を受賞しました。
わが国の産業発展のため、品格と創造性を有する人材を育成するという基本理念のもと、世界トップレベルの分野を創出する(=研究)、研究を通した産学連携を基軸に活動を展開する(=社会貢献)、これらを礎として、グローバル・エンジニアを養成する(=教育)という3つを、本学が果たすべき役割として掲げています。これらを推進し、加速化させるため、国立大学初の海外教育研究拠点であるMSSCを設立し、以下の活動内容がパーム産業のグリーン化に貢献したことが認められ受賞となりました。
活動内容
パームオイルは世界の食用油の1/3以上を賄い、インドネシアとマレーシアでそのほとんどが生産されており、食用油は嗜好品と考えられるので、菜種、大豆といった先進国で生産される食用油の高価格につられ、途上国の経済レベルで考えると高値で安定しています。さらに、コストが安い途上国で作られるため、大きな利益を途上国にもたらし、しかも、他の油を産する植物より単位農地あたりの油の収率が桁違いに高く、適正な開発面積で途上国の発展に貢献できます。
一方、搾油の仕方、特に、排水処理は極めて稚拙で、広大な処理池で自然に浄化させています。そのため、大量のメタンが大気中に無為に放出されています。メタンはグリーン燃料であり、平均的な搾油工場なら1MWの発電が可能であることを見出し、また、同時に、近代的な廃液処理システムを使えば、はるかに効率的に水の浄化ができ、さらに、CO2の25倍もの温暖化効果のあるメタンを発電に利用し、その放出を防止できます。
この研究と社会実装を2004年からFELDA社と進め、パーム産業のグリーン化に貢献してきました。
令和元年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰の表彰式は、2019年12月2日(月)、イイノホール&カンファレスセンター(東京)で行われます。
なお、本学は平成30年度にも同賞を受賞しており、2年連続の受賞となります。