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本学教員の学術論文が王立化学会発行「Soft Matter」誌の内表紙に選出されました

更新日:2025.06.09

大学院工学研究院 物質工学研究系の毛利 恵美子准教授と中戸 晃之教授およびその研究グループの研究成果が、王立化学会(RSC)の論文誌 「Soft Matter」に掲載され、Inside Coverに選出されました。論文は2025年3月24日にオンラインで公開され、6月7日号でカバーアートとともに刊行されました。

本論文では、ナノサイズの棒状セルロースであるセルロースナノクリスタルと合成高分子を使用し、自己組織化的な手法を用いてミクロンサイズの円盤状粒子が調製できることを報告しました。一般に、自発的に生成する微粒子の形状としては、比表面積が最も小さい球状の粒子が形成されやすいことが知られていますが、本系では赤血球に似た形状の円盤状粒子が確認されました。

また、特徴的な形状だけでなく、この円盤状粒子の外縁部にセルロース成分が偏在しているという点も明らかになりました。この内部構造に起因すると思われますが、粒子内部の屈折率にも異方性があり、円盤面に垂直な方向の屈折率が水平方向よりも高い粒子であることがわかりました。したがって、この粒子系は「形状異方性」と「光学異方性」という2つの異なる異方的特徴をもつ系であると言えます。

さらに、この粒子に交流電圧をかけると電場の方向と円盤面が水平に配向し、電場によって粒子の向きを制御できることが明らかになりました。

本論文は、九工大の「工業高等専門学校との研究連携支援事業」をはじめ、種々の支援を受け得られた成果です。

掲載号「Soft Matter」07 June 2025, Issue 21,Page 4121 to 4308
◇掲載論文はこちら

【選出対象】

共著者 毛利 恵美子 (大学院工学研究院 物質工学研究系 准教授)
野間 健太 (大学院工学府 博士前期課程 工学専攻 応用化学コース 2年)※発表当時
平山 啓人 (大学院工学府 博士前期課程 工学専攻 応用化学コース 2年)※発表当時
岩久 稜平 (大学院工学府博士前期課程 工学専攻 応用化学コース 2年)
東 颯希 (大学院工学府 博士前期課程 工学専攻 応用化学コース 修了)
中戸 晃之 (大学院工学研究院 物質工学研究系 教授)
発表題目 「Multiple Anisotropy of Cellulose Nanocrystals Self-organized into Disc-shaped Particles」



Soft Matter誌の内表紙に掲載されたカバーアート

Soft Matter誌の内表紙に掲載されたカバーアート


論文の概要図

論文の概要図


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