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ヴァン・アレン帯の電子が加速される場所の特定に成功

更新日:2019.11.06

ヴァン・アレン帯の電子が加速される場所の特定に成功

-日米の2機の人工衛星と地上観測による国際協調観測-

九州工業大学の寺本万里子 助教、名古屋大学の三好由純 教授、金沢大学の笠原禎也 教授、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の松岡彩子 准教授、東尾奈々 主任研究開発員および日本、米国、ロシアの研究者からなる共同研究グループは、JAXAが開発した「あらせ」衛星とアメリカ航空宇宙局(NASA)が開発した「Van Allen Probes」衛星によって、宇宙空間の異なる場所で高エネルギー電子と磁場の同時観測を実現し、ヴァン・アレン帯の高エネルギー電子がエネルギーを獲得する場所の特定に初めて成功しました。地球周辺の宇宙空間においてヴァン・アレン帯の高エネルギー電子は、人工衛星等の故障などを引き起こす存在として知られています。本研究の成果は、ヴァン・アレン帯の電子の生成の変化に関する予測精度を向上させ、宇宙空間の安全な利用にも貢献することが期待されています。


ポイント


  • これまでの人工衛星1機のみの観測では、ヴァン・アレン帯のエネルギーが高い電子が、広い宇宙空間のどこで作り出されているか分からなかった。
  • 日米の複数の人工衛星と地上観測網による多点観測により、夕方側に局在する地球磁場の乱れによって、ヴァン・アレン帯のエネルギーが高い電子が作り出されることを初めて発見した。
  • この発見は、ヴァン・アレン帯の電子や変化に関する予測精度の向上につながり、衛星運用のリスクヘッジが可能になる。

ヴァン・アレン帯の電子が加速される場所をあらせ衛星とVan Allen Probes衛星で特定

ヴァン・アレン帯の電子が加速される場所をあらせ衛星とVan Allen Probes衛星で特定


宇宙空間に地球を取り囲むように存在するヴァン・アレン帯には、エネルギーが高い電子が大量に捉えられています。このヴァン・アレン帯の電子群は太陽の影響を受けてダイナミックに変動し、しばしば人工衛星の故障を引き起こすなど、大きな損害をもたらすことがあります。

ヴァン・アレン帯電子を生成する仕組みの一つに、地球の磁場が乱れることに伴って、電子のエネルギーが高まることが考えられています。これまでは、ヴァン・アレン帯のエネルギーが高い電子がどの領域でどの程度広がりを持って作り出されるか分かっていませんでした。

本研究では、日本のあらせ衛星とNASAのVan Allen Probes衛星によって、宇宙空間の異なる場所でのヴァン・アレン帯電子と磁場の同時観測を実現しました。また、ロシア・アメリカの地上磁場観測網から、地球の磁場の乱れによってヴァン・アレン帯の電子が加速される領域は、従来考えられているよりも経度方向に狭いことを示しました。ヴァン・アレン帯の電子を計測できる観測機器を搭載した衛星が、宇宙空間において経度方向に大きく離れて、同時多点で計測を行なった例は過去になく、あらせ衛星とVan Allen Probes衛星および地上地場観測網による国際協調観測によって初めて実現できた新しい成果です。


なお、この研究成果は、米国地球物理連合の速報誌「Geophysical Research Letters」(2019年11月5日 ※日本時間2019年11月6日午前0時)に掲載されました。


◇詳細はこちら。(プレスリリース本文)


【お問い合わせ先】
国立大学法人九州工業大学 総務課広報企画係 用正拓人
TEL:093-884-3007
E-mail:sou-kouhou*jimu.kyutech.ac.jp
(*を@に置き換えてお送りください)

【研究内容に関するお問い合わせ】
九州工業大学 大学院工学研究院 宇宙システム工学研究系 助教 寺本万里子
TEL:093-884-3423
E-mail:teramoto.mariko418*mail.kyutech.jp
(*を@に置き換えてお送りください)


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