九州工業大学のダイバーシティ&インクルージョン

基本方針、アクションプラン

九州工業大学では、開校から100年以上の間、建学の精神である「技術に堪能なる士君子」の養成の実践により、6万人以上の工学系人材を世に送り、教育および研究力を駆使して、学術の進展につながる知の創造、産業界の競争力強化ならびに地域の発展に貢献してまいりました。
そのような中、平成17年に次世代育成支援対策推進行動計画を策定し、平成18年度に男女共同参画推進委員会を、平成28年4月には委員会にかわり男女共同参画推進室を創設して、男女共同参画の推進に取り組んでいるところです。
九州工業大学は、職員・学生それぞれの人権を尊重しつつ責任を分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現を目指します。
九州工業大学における男女共同参画をさらに推進するため、以下に示す基本方針、アクション・プランを全職員で共有し、積極的に活動してまいります。 

基本方針

  1. ポジティブ・アクションとして、女性限定公募等により女性研究者の増加を図るとともに、女性職員の上位職への積極的登用を進めます。
  2. ワーク・ライフ・バランス推進の視点から、教育・研究環境、就業環境の整備を促進し、ライフイベント中の女性研究者の研究・教育活動を支援するとともに、すべての職員にとっても働きやすい環境づくりを目指します。
  3. 職員に対して、男女共同参画に関する意識啓発を行います。
  4. 次代を担う女性の科学技術人材育成のための支援をします。
  5. 男女共同参画推進活動を地域社会と協力しながら推進します。 

アクション・プラン

1 ポジティブ・アクションへの取り組み

  • 女性研究者の増加を図るため、ポジティブ・アクションとして女性限定公募の実施を目指します。
  • 新規採用研究者の女性比率15%を目指します。
  • 平成33年度までの女性研究者の比率を、10%以上とすることを目指します。
  • 女性研究者の上位職登用を積極的に進め、上位職における女性比率の向上を目指します。
  • 新規採用の女性研究者の育成に関して、メンター制度を導入します。
  • 業績(研究業績・教育業績・社会的貢献)の評価において同等である場合には、女性研究者を積極的に採用することを全学の共通認識とし、女性を積極的に募集していることを公募情報に明記します。
  • 女性事務職員のリーダーシップ力の向上を図り、課長相当職以上に占める女性比率の向上を目指します。

2 環境整備

  • 妊娠・出産・育児・介護といったライフイベント中の女性研究者の研究環境整備に向けて、研究補助の支援方策を推進します。その際、本学の女性卒業生の活用可能性についても検討を行います。
  • 妊娠・出産・育児・介護といったライフイベント中の女性研究者・女性職員の就業環境の整備促進の一環として、会議・授業時間の設定(会議等の勤務時間内の終了、および、勤務時間外における会議開催・授業時間設定の自粛等)のあり方等について、早急に啓発・対応を進めていきます。また、当該職員について、休日出勤となる入試監督業務等の分担のあり方についても、対応を進めます。
  • 産前・産後休暇、育児休業、介護休業等の諸制度や就業規則等について、職員に分かりやすく周知するとともに、ライフイベントの該当者がいる場合には、特に、当該部局長、直属上司等に、就業者の権利等についての理解を徹底させます。
  • 子の看護を行うために取得できる休暇制度の拡充や支援制度の整備を推進します。
  • 女性研究者の状況を把握し、迅速に対応策に反映させることによって、女性研究者の確実な定着を目指します。
  • ライフイベント中の女性研究者の仕事・家庭生活の両立(ワーク・ライフ・バランス)を支援するため、在宅勤務制度の制定を目指します。その際、工学系大学の特質を活かした就業環境の整備の方策についても検討します。

3 意識啓発

  • 男女の別に関係なく、あらゆる場面において平等な機会が与えられるよう、広報を進めていくとともに、男女共同参画推進に関する講演会開催等を通じ、広くアピールしていきます。
  • 妊娠・出産をめぐるハラスメント(マタニティ・ハラスメント)防止に向けての対処方針を策定し、妊娠・出産・介護をめぐる休暇・休業が権利であること等について、啓発を行い、周知させます。
  • 附属図書館に「男女共同参画コーナー」を設置します。

4 次世代育成のための支援

  • 高校生対象のサイエンスカフェ、およびオープンキャンパス時の「女子カフェ」において、女子高校生および保護者の方に対して理系進学者のロールモデル提示を働きかけ、女子高校生の受験・入学の促進を目指します。
  • 女子学生(在学生)を対象とした女性卒業生との交流の場「明専女子塾」を実施し、卒業生が活躍している姿を見てもらうことで、生きたロールモデルの提示の機会を提供します。
  • 学部2年次後半、3年次前半の女子学生(在学生)に対して、大学院への進学、女性研究者の道が進路選択の際の選択肢の1つとなりうるよう、ロールモデル提示の機会提供を目指します。
  • 次代を担う女性の科学技術人材を育成するため、女子学生比率・女子大学院生比率の上昇に寄与しうる方策を、広報・入試方法・経済的支援策の可能性等、さまざまな分野で広く検討します。

5 地域社会との連携・発信

  • 「福岡県男女共同参画センター」(「あすばる」)等といった、地域のセンターとの連携を通して、女子学生の意識啓発、キャリアアップ等に向けた働きかけ等の方策について模索します。
  • ホームページ等を通じて、九州工業大学の男女共同参画推進に関する取り組みを、より積極的に発信していきます。